今の仕事では収入がなかなか上がらないので、転職したいと感じることもあるでしょう。高収入が望める職業に就くことができれば、今後の生活に余裕が生まれて暮らしやすくなりそうな気がします。どんどんキャリアアップしていける等、可能性が広がることも考えられます。昔は一つの企業で定年まで勤め上げる年功序列が基本でしたが、近年はその人の能力によって給与が変動する能力主義を採用している企業も多くあります。その際には、どのようなリスクがあるのかも気になります。
国家資格が必要な職業
高収入が望める仕事と言えば、弁護士・税理士・司法書士・社会保険労務士・公認会計士など国家資格を必要とする職業が考えられます。これらの国家試験は非常に難易度が高いので、元々の数が多くはありません。専門性が高い職業なので、高い給与を得られることが多いようです。独立開業して自分の事務所を構えれば、さらに収入を増やせることもあります。
しかし、資格を取得するまでには大学で学んだり、試験のための勉強を毎日続けなければいけないなど多大な労力が必要になります。最難関と言われている司法試験は、何年もチャレンジしてやっと合格したという人も珍しくありません。せっかく資格を取得した時には30代になっていて、そこから実績を積み重ねていくということもあります。一人前になるまでに大分年数が経ってしまっていることもあるでしょう。資格を取得できれば全てが報われますが、試験に合格しないまま諦めてしまうと何も残りません。人によっては人生の貴重な時間を無駄にしたと感じることもありますし、スクール等に通った費用や教材費も無駄になってしまいます。
営業力やコミュニケーション能力が必要
弁護士や税理士、社会保険労務士などの士業に転職する場合には、独立して自分の事務所を構えることで高収入が期待できます。資格職なので事務所や企業などに雇用されていても、一般的な職業の人達に比べると年収は高めです。ただし、それ以上に大きく収入が増えることはありません。
自分で事務所を構えれば、顧客を集めて働いた分だけ収入につながります。ここで大切なのは、専門的な知識だけではありません。勿論、専門性を活かして仕事をするので専門的な知識やスキルは必要です。しかし、いくら高い能力を持っていてもお客さんが来なければ仕事にはならないのです。自分の事務所を気に入ってもらうようにアピールすることが必要ですし、レスポンスが速いとか説明が分かりやすいといったコミュニケーション能力も求められます。今まで培ってきた人脈が役に立つこともあるので、普段から周囲に良い印象を与えることも大切になります。特定の分野に特化して、その分野を極めるといった人もいます。幅広く何にでも対応する事務所にするのか、専門性を極めるのかが重要で、どちらも中途半端になってしまうとお客さんが集まらなくなります。
ハードワークかもしれない
収入が高い職業は、その多くが激務といわれる環境です。勿論、ワークライフバランスを重視している企業もありますし、必ずしも残業が続くわけではありません。しかし、毎日忙しく深夜まで働いているという人も大勢います。働くことが大好きで、毎日遅くまで働くことが楽しいという人でも、長時間労働をしていると心や体は疲弊してしまうことがあります。それにより健康を損ない、うつ病などの病気を発症してしまうこともあります。既婚者の場合には家族と接する時間が少なくなり、家族との関係がぎくしゃくしてしまうこともあるようです。特にお子さんがいる家庭の場合には、子育てに携わらないことが離婚の原因になることもあります。長時間労働は心身に負担をかけるので、適度にストレスを発散したりリラックスした時間を持つことが非常に重要です。ただし、転職したばかりの頃は早く慣れようと無理をしがちになっています。また、時間の縛りはないものの、心理的なプレッシャーが大きい場合もあります。上層部からの期待が大きすぎて、過大な結果を求められることもあるようです。
人生の選択肢が増える
収入が高くなれば、当然ですが人生の選択肢が色々増えます。今までは国内旅行しか行けなかったけれど、海外旅行に行けるようになったということもあります。子供は公立の学校に行かせようと思っていたけれど、子供が望めば私立の学校にも行かせてあげられるといったことです。収入が高くなれば、今よりも広い家に住んだり高級車に乗ったりすることもできるかもしれません。ですから収入を増やすことは、未来を良い方向に導ける可能性があるのです。
しかし、思わぬ事態に遭遇することも考えられます。突然、リストラにあって収入が途絶えてしまったり、会社が倒産してしまうこともあります。外資系企業などは高収入を得られることがある反面、すぐにクビを言い渡されることもあるのです。それから収入が上がると、生活のレベルも自然と上がります。支出もそれに伴って増えるので、収入が増えたのに貯金は全く増えないといったことも起こります。転職を決意する際には、自分がどういう暮らしをしたいのかや将来のプランをしっかりと考えておく必要があります。